案内説明者 森 尚夫

                                            2007年7月18日実施

 今回の歴史探訪も集合時は雨で少し様子を見てからスタートとなりました。

 今回のメインは博物館にて古墳について学びます。その前に百舌鳥古墳群に107基あった古墳の内、現存しています47基、中でも世界規模で大きい仁徳陵古墳(大仙古墳、大山古墳)と深く係った人々の墓と思われる
「陪塚」が周辺に15~16基あり、数えながら約半周めぐります。

           
                                       仁徳陵

 途中、仁徳天皇の皇后(葛城襲津彦の娘、日本最古の豪族で民間から皇后になった最初の女性)の「天皇を思ひて作りませる歌四首」があり、他の女性との関係で悩み、宮中を出て山城の国筒木宮で生活する。
この歌から想像するに、可也やきもち焼きの皇后と思われます。・・・余談です。

                                                
                                                             磐姫皇后の歌

 深く係った2つ目は、古墳群内の集落が20箇所近く確認されています。その多くは古墳群の造営が盛んな5世紀中頃に突然出現し、その造営が終わってから暫らくした6世紀後半に、その多くが何処へ移住したかのように衰退廃絶します。何処に行ってしまったのか??
何で堺に多くの古墳があるのか・・・わかっていません。

考えられること 

その1 4世紀ごろ奈良に多く造られ、その後政治の中心が大阪に広がり、堺に仁徳陵、履中陵のような
     大王(天皇)の墓が造られた。
その2 古墳時代に(5世紀~)近畿地方と西日本(中国・四国・九州)を結ぶ交通路は瀬戸内海でした。堺に
     港があり、そこから大きな道路「竹之内街道」が奈良に通じていました、港に近く目立ったところに大き
          な古墳・・行き来する人々や外国からのお客に国の力を示した。
その3 この時代国内統一の動きが盛んに行われ 鉄=武器・くわ・鋤をつくるのに技術必要織物・土器・
         土木建築・技術導入に「中国王朝」から官爵をもらうことで国内諸勢力に権威を高めるため「倭の五王」
         が宋の国に使者を送りと歴史書に記載有り、五王とは讃・珍・済・興・武とあり最近雄略天皇に注目、
         五王の内「武」ではないかと、興は安康天皇?あとはどの天皇かはっきりしません「済」は允恭「珍」は
         反正&履中?「讃」は仁徳&履中?ではないかと?

 何故この地は「百舌鳥耳原」なのか? 仁徳天皇が自分の墓を造る為この地を訪れた際、人々の前に一匹の鹿が現れ倒れて死にました、見ますと耳の中から百舌鳥が出てきて、中はズタズタにされていました。それからこの地を「百舌鳥野耳原」と呼ぶようになりました。

        
                      百舌鳥耳原の像

博物館にて 

樋口学芸員より今回のメイン古墳について約一時間お話しを聞きました。

     
         樋口学芸員の説明を聞く

 世界三大墓について・・・ピラミッド・秦始皇帝・仁徳陵。 高さではピラミッド147m。ピラミッドや秦始皇帝陵
は世界遺産、造るまでの年数、しかも石の積み上げや、地下の造りにかけた年月は、仁徳陵から見ると桁違いらしい。

     
           一周の表示板                             外堀

古墳の形・・・古墳を上から見て円形だと「円墳」・四角のときは「方墳」・円と四角を組み合わせた古墳を
        「前方後円墳」・・百舌鳥古墳群にはこの三種類の古墳があります。

                            
                                        前方後円墳

鳥瞰図・・・古墳時代の壮大な景観を表現するために作成されています。古墳には古いもの、新しいものが解
       るように、木が生い茂るもの、土盛りされた新しいものが表現され、天皇陵に疑問が?古墳造りを
       支えた渡来氏族が多数居住したと思われる、技術者集団の集落が表現されています。

       
                 堀の水

館内・・・古墳時代の生産遺跡について詳しく解説を聞きながら見学しました、館内撮影禁止でしたので、
      熱心に聴いている所の写真でご理解下さい。最後に堺はなんと言っても「茶」、伸庵立礼茶室にて
     お抹茶を一服いただき終了しました。

                       
                                       お抹茶を頂く