そうりゅう会 句会入選句 
 
第218回 そうりゅう会(7月度句会分)  平成29年7月12日開催

    《出席者》16名 《投句》6名《一般投句》2名  参加合計24名 
 
  席題『毒』  喜田征治選 
     (佳句)
 傘寿過ぎ毒も薬もあるものか 奥 時雄
 毒舌の枯れた親父の丸い背 村上玄也
  後妻業毒と金欲もて遊ぶ 島田誠一
 毒のある愚痴聞きながす年の功 萩原大朔
 棺桶に消毒済みと書いてある 今田和宏
         (秀句)  
 忠告に毒気と妬み混ぜてある 奥 時雄
         (軸吟)
 ふぐ鍋は二三番手で箸を出す 喜田征治
      共選A『砕く』 前川 淳選 
         (佳句)
 北斎は砕ける波を富士にかけ 升成 好
 ストレスの餌食と散った皿小鉢 今田和宏
 共謀罪噛み砕いても分からない 成田せいじ
 山村の街並み砕く土石流 河邉滋郎
 脳味噌を砕いてみたい物忘れ 伏見雅明
          (秀句)
 粉々の夢掻き集め立ち上がる 萩原大朔
          (軸吟)
 粉骨砕身働くも報われず 前川 淳
     選B『砕く』 島田誠一選  
    (佳句)
 砕かれるたびに初心が活をくれ 稲川恵勇
 玉砕の甲斐なき夢の戦あり 奥 時雄
 岩を打つ波は徒労の幾世紀 奥 時雄
 殺し文句にとっても脆い角砂糖 今田和宏
 北斎は砕ける波を富士にかけ 升成 好
     (秀句)
 雨垂れは石を固いと思わない 升成 好
           (軸吟)
 かみ砕き子に分からせる世間とは 島田誠一
     兼題 『田舎』  奥 時雄選
       (佳句)
 田舎出て一旗上げるはずだった 太田としお
 コンビニで立ち読みを待つ耕運機 喜田征治
 継ぎ手なく横にもなれず病む案山子 寺川はじむ
 原点は心の中にある田舎 谷川 憲
 故里は納税先と違います 西脇義祐
    (秀句) 
 故郷の良いとこだけを思い出す 伏見雅明
    (軸吟)
 初恋も田舎の家も露と消え 奥 時雄
  互選句  『そこそこ』(句頭の数字は得票数)
⑤手加減が出来ぬ男の握り飯 今田和宏
⑥人並みと誉めてくれたりけなしたり 喜田征治
⑥化粧などそこそこにしろ避難指示 田部和幸
⑧そこそこの晩酌明日へ生きる糧 河邉滋郎
⑨天災にそこそこがない大自然 升成 好
⑨そこそこと痒い背中に目を細め 伏見雅明