そうりゅう会 句会入選句 
 
第222回 そうりゅう会(11月度句会分)  平成29年11月8日開催

    《出席者》17名 《投句》4名《一般投句》3名  参加合計24名 
 
  席題『耕す』  升成 好選 
     (佳句)
 前頭葉ひとつ耕しふたつ消え
 耕運機来るぞ蛙が跳びはねる 和幸
  柳会へ今日も右脳を耕しに はじむ
 満州を耕し素手で還らされ 時雄
 定年後脳を耕す五七五 玄也
         (秀句)  
 休耕田田螺も蛭も可哀相 時雄
         (軸吟)
 耕した大地の肌が手にぬくい
      共選A『環境』 永田章司選 
         (佳句)
 北国に慣れてか我慢強くなり 玄也
 つわものは挫折と危機に育てられ
 育ちの良さ日頃の仕事にもにじむ 玄也
 バブル期だった何でもありの良き時代 はじむ
 ヒトのエゴ地球黙って見ていない 時雄
          (秀句)
 軸足を変えて老後の第二幕 誠一
          (軸吟)
 環境は子孫に残す宝物 章司
     選B『環境』  田部和幸選  
    (佳句)
 コンビニでやがて酸素も買う時代
 チエンソーへ嗚咽を漏らす森の精 恵勇
 空気澄み静かだろうが過疎は嫌 時雄
 分別が夫婦げんかのネタとなる 敏彦
 ガラわるいんはしょうがおまへん河内の出 玄也
     (秀句)
 家庭環境良すぎて嫁に行けません
           (軸吟)
 もの言わぬ珊瑚の声が聴けぬ国 和幸
     兼題 『ゆるい』  村上玄也選
       (佳句)
 信用にあぐらをかいた社内の目 章司
 耐えてきた十指いっぽんずつほぐす 和宏
 保護色に育ち世間に未だ疎い 誠一
 ゆるめたらゆるめた分の腹が出る 時雄
 おしっこのゆるさにはたと知った老い 恵勇
    (秀句) 
 強面がみるみるゆるむ吟醸酒 和宏
    (軸吟)
 老いかしらつい涙腺がゆるみがち 玄也
  互選句  『ぞくぞく』 (頭の数字は得票数) 
⑤地下道へ働き蟻の長い列
⑤かぶりつきぞくぞくしてた若かった 恵勇
⑤チルドレンぞくぞく落ちて希望消え 大朔
⑦湯上りの白いうなじの香り嗅ぐ 信雄
⑨メードインジャパンゆるがす負の連鎖 征治
⑨明日生きるため難民の長い列 時雄
⑩窯出しの灰の向こうにあるドラマ 和宏