そうりゅう会 句会入選句 
 
第256回 そうりゅう会(9月度句会分)  令和2年9月

  《投句》21名《一般投句》1名 合計22名 (コロナ禍のため投句句会) 
 
  席題『顔』   木津和敏彦選 
     (佳句)
 ぼんやりと生きて僕には顔がない
 顔パスが利かなくなったAI化 雅明
  クラス会顔は分かるが名前出ず 滋郎
 リモートで顔だけ見せる里帰り 玄也
 呑み助の顔が揃うと縄のれん 滋郎
         (秀句)  
 ごめんねと今日も寝顔に手を合わす とみこ
         (軸吟)
 顔認証素顔のままじゃはじかれる 敏彦
      共選A『当然』 谷川 憲選 
         (佳句)
 勝つはずや聰太AI超える読み 征治
 正直なこころを誰も裏切れぬ 雅明
 収賄が有罪でなく何とする 和幸
 老兵は消える挽歌を引き摺って 和宏
 ブレーキもアクセルも踏みコロナ増え 和幸
          (秀句)
 お日様にすがしい空気無料です 道章
          (軸吟)
 汗流し当然と去るボランティア
     選B『当然』  河邉滋郎選  
    (佳句)
 花は地に落ちて仮面が裏返る 和宏
 当然と優先席へ足が行く 明次
 お金さえ出せば美味しいもの食える 玄也
 猛暑日もジッと耐えたら秋が来る せいじ
 超目玉半値八掛当たり前 とみこ
     (秀句)
 見た目良し金が有るからそらモテる 征治
           (軸吟)
 昔なら当たり前でもセクハラに 滋郎
     兼題 『走る』  田部和幸選
       (佳句)
 ここだけと言った話が駆け巡る とみこ
 空港へ急ぐ空席の特急 時雄
 一粒のグリコとんぼり走ってる はじむ
 時代の船時の風受け走り行く 道章
 ゴールなど知らずに馬は走ってる はじむ
    (秀句) 
 走ってもなお逃げ切れぬ夢の中 輝好
    (軸吟)
 辞令より左遷の噂先走る 和幸
  三会合同互選句  『じっくり』 (頭の数字は得票数) 
              雅号:そうりゅう会 
とうりゅう会 ほくりゅう会

④考える人のかたちで余生往く

⑤念入りの老後プランに誤算有る 征治
⑤オンラインじっくり拝む墓参り
ヨシ
⑤巣立ち娘の部屋開けて待つ里帰り
よしいち
⑥じっくりとトラ覚醒の夢を追う
和宏
⑥見て聞いて触れて匂で食べてみる とみこ 
⑥じっくりとするめ味わい顎踊る たくみ 
⑥名を忘れ家でじっくりア行から  英雄
⑦人生百急くな焦るな残り道  けんじ
⑦テレビ消しいざやり直す口喧嘩 時雄 
⑦じっくりと聞く耳持たぬ浪速っ子滋郎 明次 
⑧一時間かけてお顔が出来上がる 玄也
⑧じっくりと選び娶った筈の妻 和幸 
⑨じっくりと聞いたら訳のない話 はじむ 
⑨あとで来いじっくり聞くと社長言う  
⑪遅咲きの我が子の開花願う親  滋郎
⑪コップ酒片手に聞こう妻の愚痴 信雄 
⑫じっくりと考えて打つヘボ将棋 いちお 
⑯年輪が醸す味わい友と酒 みのる 
⑯じっくりと寝かせた樽のひとり言 雅明