そうりゅう会 句会入選句 
 
第289回 そうりゅう会 6月度句会分)  令和5年6月

    《投句》21名    (コロナ禍のため投句句会) 
 
  特別課題『ぽつり』   河邉 滋郎選 
     (佳句)
 別れましょ ぽつりひと言恋終わる 時雄
 鉄人が蔭でぽつりと弱音吐く
  寝そびれて蛇口の愚痴を夜もすがら 雅明
 乱打され投手はベンチ隅っこに 英雄
 裏通りぽつり客待つ赤ちょうちん 明次
         (秀句)  
 思い出をぽつりぽつりと通夜の酒 はじむ
         (軸吟)
 病床で点滴ぽつり春を待つ 滋郎
      共選A『分ける』 木津和 敏彦選 
         (佳句)
 買い替えか車検か迷う八十五 高遠
 勝ち組と負け組分ける降車駅 和幸
 赤い目で身を乗りだした形見分け 雅明
 ケーキ切るナイフの先に子らの目が
 引き分けを喜ぶほうと悔やむほう 玄也時雄玄也
          (秀句)
 嫌な事聞き分けそっぽ耳遠い 滋郎
          (軸吟)
 分け前はリスク程無い闇バイト 敏彦
     選B『分ける』  奥 時雄選  
    (佳句)
 女房の機嫌を耳で聞き分ける せいじ
 プーチンも知っててほしい痛み分け 征治
 揉めるほど無かった父の遺産分け    和宏和幸
 買い替えか車検か迷う八十五 高遠
 分れ道下駄投げ決める右左 とみこ
     (秀句)
 結婚が我が人生の分かれ道 輝好
           (軸吟)
 均等でいいかと悩む遺産分け 時雄
     兼題 『めきめき』  喜田 征治選
       (佳句)
 翔平に聡太めきめき伸び盛り
 花散って新芽にいのち託す春 雅明
 幼子のめきめき増やす語彙の数 輝好
 めきめきと腕上げ師匠困らせる 玄也
 吹っ切れたようだ目ん玉澄んでいる 和宏
    (秀句) 
 めきめきと老いの力にサプリ買う 明次
    (軸吟)
 我が子だけ成長せよと親の欲 征治
  互選句  『下』  頭の数字は得票です             
④下がっても売りは控えたシャープ株
⑤下腹をなでて慌ててジム通い せいじ
⑤自粛緩和笑顔満開桜下 信雄
⑤上がったり下がったりする京の街
⑦下ネタも笑ってスルーできる歳 とみこ 
⑧幕引きが下手で憂き世が終わらない 和宏 
⑨戦争がやまぬ下界を神嘆く
⑬両脇を下戸に挟まれ手酌酒 和幸
⑮肩の荷が下りて安堵のふたり旅 はじむ 
⑰出来あがり下ごしらえがモノを言う 輝好