案内説明者 渡邊雄史                       

  昨夜来の豪雨で一応中止となっていましたが、それでも熱心な会員が集合場所に集まられ、開催時間の 
  10:30分には晴れ間が見えて、絶好の探訪日和となりました。

     

説明者渡邊氏のやる気満々もあり、20名の方の参加でスタートしました。

     
                                                                                       
「今の大阪城は歴史上3代目」
 ○天正11年 羽柴秀吉が石山本願寺跡に大坂城を築城(初代)
 ○元和6年  夏の陣で焼滅した豊臣大坂城の跡に徳川幕府による天下普請で徳川大坂城を築城(2代目)
 ○昭和6年  大阪市民の寄付により関大阪市長(現関市長の祖父)が現天守閣竣工(3代目)

             


     


2代目大坂城は普請奉行の藤堂高虎に「石垣を旧城の2倍に、堀の深さも2倍に」、堀の掘削・石垣の構築・建物の建設と徹底した割普請で各大名に、丁場割りをし競い合わせた、各大名は受け持ち丁場を誇示すする為家紋やしるしの刻印が掘り込まれた石垣が多く見られる・・・納得で~す

    
                     秀石庭 「秀吉の馬印(千成瓢箪)を配置した七、五、三の石庭」

                  
                             山内一豊の家紋

石垣の城では日本一といわれる大阪城、本日はじっくり解説していただきました 。
石造りの巨城
   ①規模が格段に大きい
    ②堅くて良質の花崗岩
   ③比類のない巨石が多く使用
   ④京都や兵庫県特に瀬戸内海の島々より切り出された
   ⑤残された石も各地にある「残念石」という     
 

                   
        左側の穴を「矢穴」と云いくさびを打ち込み石を割る

   ⑥運ぶ運搬具は「修羅」という


城は燃えても石垣は残る 豊臣時代の地下遺構発見

       

 
昭和34年(1959)の「大阪城総合学術調査」によって現在の本丸の地下7mのに豊臣時代の石垣が埋もれていることが分かり、 これにより現在の石垣は全て徳川再築以降のものと判明した。  

         
 

大手門  よ~く見ると謎の柱継ぎが見られる、「蟻継ぎ」「殺ぎ継ぎ」 大工さんの遊び心か?      

             
                       多聞櫓

大阪城石垣  全長約12km  高さ最高24.5m 石の数50万~100万個

       
         普請奉行「藤堂高虎」の石垣                     千貫櫓

石の産地   ①瀬戸内海の島々 ②六甲山 ③生駒山 ④その他


巨石ベスト5
(順位) 石の名 位置 面積 推定重量  産地      

           
           「桜門」 ここから中は本丸

     
            大阪城No1の巨石「蛸石」

 1位 蛸石 桜門            (36畳) 約130t 犬島(岡山)
 2位 肥後石 京橋口        (32.8畳)約120t 〃 (〃 )
 3位 振袖石  桜門       (32.5畳)〃 〃 (〃 )
 4位 大手見付石 大手口  (29畳)約108t 小豆島(香川)
 5位 大手2番石 〃      (23畳)約85t 〃 (〃 )

最後に石垣について少し時間をかけて話をする
     ・ 戦国時代の山城と織豊(織田、豊臣)以降の城について
     ・ 土の城から、石の城  戦う城から見せる城
     ・石垣と石積み の違い
   ・穴太積(穴太衆) ・・・技術 石の加工

           

    ◆野面積    自然石をそのまま積み上げたもの、高く積めない、見た目も悪い
  ◆打込ハギ 石を割り隙間に詰め石をする
  ◆切込ハギ 石を切り形を整え積む

  ・扇の勾配(宮勾配) 扇や神社の屋根のように、下部は傾斜が緩く、上に行くほど垂直になり武者返しと云   われ、防御力も高く、見た目も美しい。
  ・寺勾配   寺の屋根・・角度に変化がなく、高く積めない、 防御力弱い