令和7年 1月度句会入選句鑑賞 岩西 信雄選 |
どんな夢孫の寝顔に浮かぶ笑み 田所 英雄
孫娘の遊び疲れた寝顔、練習中の阿波踊りではやがて一緒に踊る夢を見たいもの
・・・勝手な想像も爺の楽しみとほくそ笑んでます
夢に出る幼馴染みの国言葉 奥 時雄
幼少期過疎地の友達と訛り有るやり取りも標準語と思ってたが、都会に染まってしまった今
疲れた人生で癒されるのは送り出してくれた人たちと温かい訛り言葉での談笑なのかも
高鳴る胸の音とともに汗ばむ手、シャツの袖で汗を拭き思い切って後ろから柔らかな手を
掴んだら握り返してくれたときは人生最高の幸せを感じました
糠床を守る老婆の手は二十歳 田部 和幸
美味しい茄子の糠漬けを取り出す白い手、先斗町で元芸妓だった女将の姿が乙女の恥じらいの
細腕にも感じられ今夜の酒は幻の大吟醸「獺祭」? 茄子をアテに一段と旨い
合鍵を返し明日から他人です 河邊 滋郎
若き同棲時代は単純なとっさの感情で起こす行動も、今余生僅かな弱い立場の後期高齢者では
こんな大胆な事は出来ません・・でも突然パートナー側からの三下り半は怖い
返事が怖くて先に進めない片想い、でも当たってみなければ結果が出ない結果が出なければ対
次こそは今度こそはのど根性 米井 とみこ
小学校の国語で「あすなろ」の言葉を習った、ヒバがいつか素敵な檜に成りたくて明日
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