6月度釣行の記録
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旬の「麦わらいさぎ」で クーラー満タン、30cm超の大型混じり -
☆釣行日: 6月11日(木) 曇り後晴れ 最高気温: 27℃ 波高:3.0→1.5m
☆概況
:釣り人って実に気まま我が儘にできた人種である。その例を2・3挙げたあと今回の釣行をまとめてみたい。
お恥ずかしい話であるが、梅雨って最近まで日本だけに起きる気象現象で、太平洋上に発生した梅雨前線が北上南下をくり返し、それが北海道までやって来ると勢力も弱まり、やがて梅雨明け宣言になることぐらいしか知らず、なんと東南アジアから台湾、中国、韓国など7,000kmにも及ぶ壮大なものとは、まったく知らなかった。これらの国々でお米が作られているのは、やはり梅雨と関係があるのだろう。
そんな梅雨が今年もまたやって来た。海釣りに行く場合、じとじと蒸れて鬱陶しいとか、それが鮎釣りとなるとやせ細り田植えの水で濁った河川が蘇ると喜び、今回の釣りに行く前も参加者の希望に合わせるのが大変だった。乗合より仕立てだ。朝の早いのは疲れる、昼からがいい。手釣りより竿釣りだ。数が釣れたら型のいいのを釣らせてくれ、などの大合唱。
ただいま老春を謳歌している、そんな気まま我が儘な釣り師10名が当日意気揚々と【いさぎ】のメッカ、和歌山・印南港に集合した。午前11時30分〔たつみ丸〕は静かに滑るように出港し進路を左(南下)に切る。港にいる時はさほど感じなかったが、風が少しあり大きなウネリが出ており、このウネリどうも嫌な予感がする。15分もすると釣り場が近いのか、やがてエンジンはスローになり投錨位置をキャッチしたようで、いよいよ釣りの開始だ。
船内マイクで船長の釣りのレクチャーが始まった。「よう聞いといてヨォー、釣り糸は10m間隔で白・緑・赤・黄と色分けしてあるんヨォー、鉄仮面に餌を1/3詰めるんヨォー、あんまり詰めたらアカナー、餌が出やひんさかい。黄色の半分まで落とすんヨォー、そこで餌出したらアカナー、赤まで手繰り上げてそこで餌出すんヨォー、判ったかあ〜、ほなやって。」この和歌山弁を聞けるのは釣り人の特権である。
第一投、船長に言われたとおり黄色の半分(35m)まで落とし、一気に赤まで引き上げ餌を振り撒く。仕掛けが餌の帯に馴染む間もなく【いさぎ】特有の針をがりがりかじるような感覚のあと、ぐぐっと乗る。どうも【いさぎ】の当たりは泥臭く、慎重に1ヒロほどサビクが、合い乗りもなく、たまに指の間を糸がツッ〜と走り、良型の予感で取り込んだのは30cmクラスの腹一杯抱卵した縞目のない美形の「麦わらいさぎ」だ。近くでも取り込んだ【いさぎ】がばたばた跳ねている。ここは切目崎沖、岩礁帯、水深42m、波高3m、中潮、水温22℃、仕掛けはハヤブサ3号・4本針。
一時間もした頃、棚がどんどん上がりだし赤と緑の接点あたり(20m)で良型が釣れ、右舷から見える範囲で6名に徐々に釣果に差が出始め、ピッチが劣る。また出港時、嫌な予感が的中し大きなウネリでダウン者や気分の悪い人がでた。食いが止まると船長は場所の移動をくり返し、その都度一時は釣れるが、棚取りの上手下手が釣果に影響しだし、【いさぎ】は棚を釣れ、と言われる所以の証明だ。今日はあまり外道は来ず、右舷の2人が【まるはげ】を釣り、たまに、【そうだかつお】が顔をだす程度で助かった。左舷艫で竿に終始した林田さんが突然「鯛ちがうかなぁ〜?」、竿が海中に突き刺さり、やがて顔を見せたのは【たい】より数倍旨い【まはた】30cm以上のおでましだ。今回の釣りで、まだ気まま我が儘を言う人はいないだろう。
午後3時半、32リッターのクーラーが満タンになり、帰りに氷を入れる余地を残し16匹を嫁にだし、そして写真撮影に船内を廻る。カメラを構えると全員にっこり微笑み、即【いさぎ】を釣りの期待に応えてくれた。
午後5時納竿、5時間に及ぶ激闘の幕は下り、港に着き全員1人でクーラーを下ろすことは出来なかった。〔たつみ丸〕の船長、口は悪いが腕は確かだった。感謝!
地に足が着くと心地よい疲労を初めて感じた。こんな疲労ならいつでも何回でも感じてみたいものだ。
ちなみに、和歌山県の調べによると、平成18年度の【いさぎ】の漁獲量は207トンで、全国9位(1位は長崎県で1,739トンでダントツ)。当日、我々が釣った【いさぎ】は10名で約500匹、もっといるかも。4匹=1Kgに換算し0.125トン。遊漁船は平成20年末現在約600隻が登録されており、遊漁者が【いさぎ】のシーズン中に一体どれぐらい釣るのだろうか。恐ろしい数字になることは間違いない。
☆釣果: いさぎ 40〜84尾、 その他、まるはげ、そうだかつお、まはた等
竿頭: 阿部会員 84 尾
大物(バリュー)賞: 阿部会員 いさぎ 33.5cm
" : 騎馬会員 " 32.8cm
☆参加者:10名(園山、堀口、林田、騎馬、小川、久保田、青木、藤田(特別参加)、衣川、阿部〔記〕)
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