8月3日、今回の狙いはアカイカで、これは南紀地方の呼び名で標準和名はケンサキイカ、地方により真イカと呼んだりシロイカと呼んだりする。
港へ向かう途中、国道42号線から見る海は白波が立ち風もあり厳しそうだ。午後6時南部堺港を築山丸は出船する。薄暮を待つかのように静かに進路を南にとり左舷に白浜温泉街のホテルの林立が目に入る。
風波の中1時間も走ったろうか、やがてエンジン音も静かになり船長がパラシュートアンカーを投入し、風向に船首を向ける。日本海側では主にアンカリングで釣らすが、南紀地方では船流しである。
午後7時、参加者6名が右舷3名左舷3名に分かれ、当日は新月の大潮のど真ん中、事前の確認では「この1週間、潮は早いよ」と錘80号で浮きスッテ7本仕掛けを投入。水深は90mで船長の指示棚は「30mより上を探って」と。集魚灯が効きだすまではなかなか浮いてはくれないので、ひたすら我慢の棚探りが始まった。
釣り始めて1時間も経ったろうか、付近は一変トビウオが海ヘビがサメまでが海面を走り回っている。再び船長のマイクが「釣れるよぉ〜、上探ってよぉ〜」、今まで全く無反応な穂先が急にガクガクと変化が。「そんな早よ巻いたらアカナア〜、足切れるよぉ〜」。浮きスッテのカンナに無念のゲソ(下足)が。
これを契機に船中大賑わいで、墨の洗礼を受ける人やゲソだけ釣って残念がる人、型が小さいと文句たらたらの人。
こんな状況が1時間も続いたのだろうか、生かしにかなりのアカイカが泳いでいる。釣れなくなるとゴマサバが浮きスッテを飲みこみ、また、シロサバフグが当たりだし、昨年はシロサバフグにリーダー諸共飛ばされ痛い目に遭ったが今年は少なく助かった。
船流しで釣っていると釣れ出し始めると全員にチャンスが巡ってくるが、水深80mを流すので乗り棚をいち早く感知した人が釣果を伸ばしバラツキが出始めた。流速があり錘も重く、その上、アカイカの型も小さいのでバラシが続出だ。
附近の漁火も消え始めた午後11時30分納竿となる。30匹以上を釣った人が3名、20匹オーバーが2名。10匹代が1名であったが大物賞を獲得した2名は多く釣った人からは出ず、少なく釣ったが大型を。海は二魚を与えなかった。
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