11月の月例会は“タチウオのテンヤ釣り”を予定していたが、聞えくる釣果は芳しくなく竿頭で10尾程度とあり、そこで、もし釣れなければ、また、釣れてもベルトサイズが多く混じるようであれば“マダコのテンヤ釣り”へ移動の2本立ての釣行となる。
11月22日午前7時、7名を乗せ東垂水漁港を出港し、一路須磨沖を目指す。港をでると北東の風が強く、飛沫が船内を襲い風波厳しい状況のもと30分で目的のポイントに近づくと、すでに大船団が須磨沖銀座に集結している。
船長の第1声は75mで祈る気持ちで第1投。ややトモに流れ着底し、逸る気持ちを抑え、まずは≪底攻め≫と手巻・微速で巻き上げ≪底から棚メモ≫が5mを指した時、コツンときた。これは疑った。風もあり波もありエンジンの振動でかき消されるような微妙な、まさか1投目に。半信半疑で巻き続けると来た。一気に来た。穂先は海中へ突き刺さり、バッド部からくの字にひん曲がり電動音は唸るのみ。腰で持ち応え何とか竿先を上げると巻き始めるが、また、突っ込む。タチウオの大型の定番だ。これを何度か繰り返し船上へ御用でびっくり。
見事な太刀だ。幅広6本、ただいま抱卵中。右手の親指と中指を大きく広げ、太刀の上を口先から尻尾の先までサット走らすと5回半、110cmオーバーだ。尻尾の綺麗なタチウオだ。我々釣り人には、尻尾があるなしは最重要課題である。
第2投まで時間はかからない。いつもであるが数個のテンヤに餌のイワシを巻いてあり、取り換え後、即、投入。同じく≪底攻め≫成功で、着底後、より入念に手巻き微速で何の変化もつけず巻いていると、コツンときた。巻くコツン、巻くコツンで今度のコツンで大きく腕が跳ね上がった。
このようなことが須磨沖銀座中心に繰り広げられ、気付けば生簀は銀白色で埋まっているではないか。今日はいったいどれくらい釣れるのだろうと心ウハウハ。
とこらが、世の中ってそうはうまくは行かないものだ。突然、≪どうですか≫の声に≪これです≫と生簀を指すと≪全然当たりがないんですよ。マダコに移動しませんか≫。そうだったのだ。マダコに保険が掛かっていた。午前10時、須磨沖銀座から播磨沖へ移動開始。
明石海峡大橋をくぐると途端に波も治まり、快適とまではいかない船旅1時間、二見人工島のアサヒ飲料の倉庫が見えてきた。
第2ラウンド、マダコ釣り開始だ。船長は8mを指示。早速、右舷ヘサキの浜田会員がGetだ。頭が二つに見えたが300gのマダコが自分の頭くらいのゴロタを抱いて上った。
マダコはタチウオのようにはうまく行かない。指先に神経を集中し必死にゴロタ場を探るが何の変化もない。
船長はどんどん西へ攻め、加古川沖20mの深場へやってきた。同じくゴロタ場でテンヤがコロコロ滑ると突然、重く道糸が伸びる感覚で大きく合わす。乗った。確かに乗っている。それも重たい。マダコの20mは冷や冷やものだ。ようやく姿を見せるとゴロタを抱いていた。ゴロタにはビッシリ藤壺が付いており頭は穴が開き空っぽだった。釣ったマダコは4尾であったが、すべてゴロタを抱いており、ひどい時には2個も抱いて上がってきたので、大型がきたと喜ばされた。
やはり、船中7名に大きなバラツキがあり、タチウオは0尾から7尾、マダコは0尾〜8尾と。悲喜こもごもの釣りだった。
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